インタビュー / CONTENTS

Posted on 2013-08-10
堀江浩彰〈屋上写真家〉/ 屋上インタビュー完全版 vol.21

もうね、最初に言っちゃいますよ。
今回のインタビューは屋上を旅して屋上写真を撮りまくる屋上写真家で、
それをフリーペーパーとして発行し続けている本誌「屋上とそらfree」編集長の・堀江です!
だって、20号も本誌を続けているの全然兆しが見えないんですもん。屋上ブームの兆しが……。
もう我慢の限界(笑)。ってことで、問いただしてきましたよ。
編集長は屋上ブームがなかなか来ないことに関して、どう考えているのかを!とか言いつつ、
本当はあらためて皆さんに『屋上の魅力について知ってもらいたいなぁ』なんてボクたちクルーの
ピュアな思いがあって、今回は編集長のインタビューにさせてもらいました(照)。
あっ、言っておきますがインタビューのお相手がいなくて
近場に逃げたワケでは決してないですから!!!!!

Interview&Text&Photos ● 水野 桂助

今日はよろしくお願いします

堀江:あらためまして、そして今更ですがよろしくお願いします。

こちらこそ(笑)。いつ頃から屋上の写真撮っているんでしたっけ?

堀江:なんか記憶があいまい…というか、学生時代がついこの前みたいな感覚もあって、今までは結構適当なことを言っていたかもしれないけど、今日はっきりさせようと思います。はじめて自分で屋上を撮ろうと意識して写真を撮ったのははっきりわかんない。フィルムで撮っていたし、それだけ撮っていたわけじゃないから。だけど撮っていたカメラは初代EOS Kissで1997年頃。それなりに屋上を撮る事を意識し出したのは2000年前後。当時使っていたカメラはオリンパスのC-2020Z、その頃はLEGOと屋上を撮っていたから。

今日はLEGOの話はいらないですからね!では、屋上のサイトはいつ立ち上げたんでしたっけ?

堀江:『屋上とそら』の前身サイト「屋上空」を作ったのは、たぶん2004年じゃないかな。データ見たらコピーライトがそうだったから。ここまではずーっとコンデジで撮ってた。最初に買ったカメラの次にC-3040ZとかC-755UZとかC-3100Zかな。ずっとオリンパスで。初めて買ったデジタル一眼レフは発売されたばかりのE-300。だけど比較で迷っていたE-1も結局半年後に購入しちゃった。

あっ、カメラの話もいらないです!!

堀江:そう?んで、続きだけど2009年に、写真集を自費出版して、ほとんど売れなくて、在庫を売るためにフリーペーパーを創刊して今に至るわけだから…結局、屋上を撮りはじめて13年くらいってことだね、2013年時点で。

サイトを立ち上げ時の反響ってどうでした?他にも屋上のサイトってあったんでしたっけ?

堀江:自分が知っていたりなんかしらのコミュニケーションをとっていたのは、巡ってます系の2サイト。それ以外に3サイトくらいあったけど、その当時の段階で更新は停まっていた気がする。今もあるけどね、残っているところ。ちなみにサイトのサクセス数は5年間で4,000ぐらいだった。

立ち上げ当時と比べると、屋上に対する世間の反応って変わりました?

堀江:twitterでさ、屋上って検索するとね。屋上の写真を撮っているひとがいっぱいいるのが分かってね。すごく素敵な屋上もあったりするからお気に入りしたり。7~8年前もニッチだったけど、今の方がニッチでも広がっている気がするかも。

ってことは、屋上ブームが来つつある!と。

堀江:いや、来てない。そして、10年以上おっかけてみたけど、来ないと思う(笑)。昔は来るかなって思ってたけど。たぶん来てもすごく小さい波がふわーっと来て、また元通りなんじゃないかなぁ。

それは何故?

堀江:華がない。団地ならスターハウス見つけてうぉおーーっ!みたいな。廃墟だったら例えば軍艦島!とか工場萌えだったらどこどこ!みたいなわかりやすい定番スポットがないんだよね。

確かに(笑)。

堀江:屋上好きっていうのも、デパオクが好きな人もいれば、廃墟みたいな侘び寂び系が好きな人もいるし、今の季節なら屋上ビアガーデンが好き!って人もいますしね。これだったらみんなが好きでしょ!ってのがはっきりしていないところがブームがこない原因かもね。

なるほど、結構、真面目に分析してる(笑)。

堀江:ダムとか団地みたいに建築系の人が分類しちゃって学術的にガーッってのもないからね。

やればいいのに。ここは○○系屋上だね!みたいに。

堀江:少なくとも自分はやってないね(笑)やっている人がいたらぜひ友達になりたい。

いないと思いますよ!そんな人。では、ちょっと話を変えて、今までにどれくらいの屋上うを撮っているんですか?

堀江:ちゃんと整理しているもので200カ所超えているくらいだと思う。気に入っていたり近所の屋上は、何度も写真を撮りにいくからそういうのも入れると撮影回数で言えば500回くらい撮ってる。整理してないのも合わせればよくわかんない。500カ所は超えるかもしれないね。

……。何度も行く屋上って?

堀江:前に住んでた団地は30~40回くらい撮ってる。いろんな時間帯、雨が降ったり雪が降ったり、霧が出た時も行ったし。花火大会の時とか初日の出とか。

飽きるでしょ?

堀江:飽きたらやってないし(笑)。

何回も足を運ばせる屋上の魅力ってなんなんですか?

堀江:屋上の自体の魅力と言うか、身近な屋上に魅力を感じます。近い場所にあるとか、自分の家みたいな屋上とか。『よし、行くぞ!』って気構える事なく行けるところ。いつでも出入りが自由な屋上はステキですね。

うーーん、よく分からない(笑)。何かないんですか?分かりやすい説明。屋上には○○があって、人を惹き付ける魅力がある!みたいな。

堀江:いや、そういうのはないね。

ないんですね……。じゃ、ちょっと屋上写真家として教えてくださいよ。屋上の撮り方の心得的なものを。

堀江:屋上に出た瞬間から撮る。歩きながら。屋上遊園地だったら子供の目線になるようにしゃがんでみたり。そうやって撮り歩きつつ1周する感じ。

なるほど。

堀江:そうやって1周すると、いちばん素敵にカッコ良く見える場所がだいたい見つかるんで、そこを重点的に撮ります。

カッコ良いっての基準とは?

堀江:一番広々と見える構図で、その場所ならではの特徴を入れます。屋上と空の比率も大切ですね。あとはインスピレーション。

ちなみにカメラって何を使ってるんですか?

堀江:軽く流すよね(笑)まぁいいけど…。最近はE-P5に12mmの広角レンズを持っていることが多いかも。今日は屋上行くぞーって決まっている時はE-5に11-22mmの広角ズームですね。

本当にオリンパス好きですね(笑)。

堀江:最初に買ったデジカメがオリンパスだったからかもね。フィルムだとやっぱりオリンパスでOM-1かOM-4を。あとNATURA Sもたまに使うかも。ほとんどないけれどカメラ持ってない時はiPhoneでも撮りますよ。

結局、何でもいいんですね(笑)。

堀江:出会った屋上って、もう次は来る事のできない場所かもしれないから、とりあえずあるもので撮っときます。

一期一会ですね。では、今後、行く気マンマンの屋上ってあるんですか?

堀江:見上げて気になる建物の屋上はどこでも行きたいです。今はGoogle Earthでも見れますけどね、屋上。

駄目なんですか、Google Earthじゃ?

堀江:やっぱり、その場所に立ってみたい。上から見るだけじゃ我慢できないんですよね。

そう言うと思いました(笑)。ちなみに今後はどういった活動をしていこうと?

堀江:フリーペーパー『屋上とそらfree』の創刊から現在4年目に突入していますが、『屋上とそらfree』のおかげで色々な事が動きやすくなっているのも事実ですね。面白がっていただけるし、『本気で感動しました』って言っていただけることもある。『屋上とそらfree』っていう分かりやすいもモノがあるから、どんなことをしているのかが伝えやすいってのが大きいです。普通に考えたら怪しいじゃないですか、屋上の写真を撮らせてくださいっていきなり来られても。

ボクなら撮影許可は出しません!屋上ないですけど……。

堀江:だよね(笑)。でも今は、ウチの屋上を撮って欲しいという依頼もいただけるし、逆にこちらが取材をしていただいた時に、普段行くことのできない屋上に連れていってもらえたり。屋上を通じてたくさんの人と繋がることもできたので、屋上で、屋上ならではのイベントをやってみたいですね。創刊した頃から話しているんですが屋上映画祭とか。そういうのもあって、最近は屋上を動画で記録し始めています。

そんな野望があったんですね!でも、流すのは屋上の映像(笑)。

堀江:いや、そこはもう少しヒネリますよ!さすがに。

じゃ、あんまり長くなってもなんなんで、最後に今、屋上以外で興味のあるものってあります?

堀江:んー、駐車場。地下に降りてく坂道の。あれがカッコ良くて好きです。ちょいちょい撮ってます。夜だとものすごくカッコいいですよ。

これまたニッチな(笑)。疲れたんで、駐車場の話はまた今度、聞かせてもらいます。では、今日はありがとうございました!

堀江:こちらこそ(笑)。

こんな感じで、今回はあらためて屋上写真家・堀江氏に屋上の魅力などについて話してもらいました!このインタビューを読んで、自身の眠れる『屋上魂』が疼いたそこのアナタ!一緒に屋上を使って面白い事をしてみませんか?屋上について語らってみませんか?
堀江氏はいつでもウェルカム状態みたいですよ!
さぁ、勇気を出して『メールヒム!https://www.okujo.in/free/contact』

編集長・屋上写真家:堀江浩彰堀江 浩彰
フリーペーパー「屋上とそらfree」発行人・編集長・屋上写真家。1976年愛知県生まれ。1996年頃から屋上を渡り歩き始め、ある屋上が閉鎖になったのをきっかけに、危機感が高まり写真に残すようになった。2005年に記録した屋上写真をweb上に公開。2009年には自費出版で写真集を制作し、翌2010年よりフリーペーパー「屋上とそらfree」を創刊、編集長を務める。趣味は屋上とLEGOと引越。本職は名古屋のデザインプロダクション・有限会社ラディカルでプロデューサーとして勤務。屋上の自由な雰囲気そのままに(見た目)自由に勤務中。カメラはOLYMPUS E-5とFUJI NATURA S。

水野 桂助 keisuke mizuno ライター・プレス
1978年愛知県生まれ。relaxみたいな雰囲気のフリーペーパーを創りたい!とそそのかされ、渋谷直角さんのようなインタビュアーが必要だ!と焚き付けられ、巻頭インタビューは雑誌の華だ!とプレッシャーをかけられ、毎号巻頭インタビューを担当する遊びと子育ての両立に悩む1児の父。事務所先輩はじまりの様々なご縁を経て、屋上とそらfreeに最重要ポジションで参加中。帰りたがらない編集長とアートディレクターに挟まれる辛い日々を「みんなで楽しく!」をモットーに乗り切り中。
> twitter @mizu227

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