特集屋上

Posted on 2013-02-01
特集 屋上[18]サラバ、愛しき屋上たちよ

Up On The Roof 特集屋上
サラバ、愛しき屋上たちよ

東急百貨店東横店
東京都 渋谷区

地方の屋上遊園地がどんどん閉鎖されていく。
屋上の写真を撮り歩くようになったきっかけはそこでした。
もちろん東京の屋上遊園地も減ってはいました。
けれど、そもそも数が多かったので、地方に比べればという思いがありました。
2013年、大都市の屋上遊園地が少しずつ消えていってしまいます。
 
 2013年3月、東京の東急百貨店東横店(東館)が閉店。6月には松坂屋銀座店が閉店。2014年以降、大阪の阪神百貨店梅田本店が建て替えという話もでています。景気が…とか、集客が…ということではなく、すべて建物の老朽化や都市計画に基づく再開発が理由とのことです。新しい建物に新しい屋上遊園地ができるかもしれません!屋上とそらfreeは、屋上遊園地が無くなる!超残念!大反対!というメディアではありません。新しく生まれる!とか生まれ変わる!ってのは大賛成ですから。

 寂しい気持ちはもちろんあります。先にあげた3つの屋上は、どこも大好きで何度もくり返し通った屋上ですから。特に東急東横は渋谷駅で降りるたびに立ち寄っていた場所です。5回降りたら4回は上っていたと思います。建設途中のヒカリエを眺めたり、屋上から見えるビルの看板が以前と変わっているのを見つけたり。フットサルには興味なくてもフットサルコート(西館屋上)を見学させていただいたり…。大人になってから通ったぼくでもそれなりの想い出が詰まっているわけです。過去の特集屋上で、別の屋上遊園地が閉鎖される時にも書きましたが、無くなってしまう屋上に想い出がある方は、ぜひもう一度、立ち寄ってみてほしいな…と思います。半年近くさぼってしまうこともたまにありますが、ぼくは10年近く日記をつけています。しっかり書いてある日もあれば、ひと言だけの日もあります。そんなひと言だけの日記でも、読み返してみるとその日起こったことや前後のことまで、鮮明に記憶がよみがえってくるんです。良い想い出はもっと良くなるかもしれないし、つらい想い出だったとしても当時とは違った気持ちになれるかもしれませんよ。想い出を思い出せる時間もあとわずか。大切なものが置き去りになっていないか探しにいってみてはどうでしょうか?

堀江 浩彰 hiroaki horie 発行人・編集長・屋上写真家
1976年愛知県生まれ。1996年頃から屋上を渡り歩き始め、ある屋上が閉鎖になったのをきっかけに、危機感が高まり写真に残すようになった。2005年に記録した屋上写真をweb上に公開。2009年には自費出版で写真集を制作し、翌2010年よりフリーペーパー「屋上とそらfree」を創刊、編集長を務める。趣味は屋上とLEGOと引越。本職は名古屋のデザインプロダクション・有限会社ラディカルでアートディレクター。屋上の自由な雰囲気そのままに(見た目)自由に勤務中。カメラはOLYMPUS E-5とFUJI NATURA S。
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